ビットコイン底入れ兆候とFRB利下げ動向 金融市場最新の動き

米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ継続見通しが市場の注目を集めています。流動性バッファの枯渇や量的引き締め終了により、純流動性がプラスに転じる可能性が指摘されています。一方、ビットコインはナスダックとの逆相関が続き底値形成の兆候を示し、政府系ファンドによる買い増しも確認されています。日銀の利上げ可能性や株式市場の動きも加わり、金融環境に変化が生じています。

金融政策

FRBの利下げと流動性転換

ホワイトハウスの経済顧問が、FRBは来週利下げを行う可能性が高いと述べています。また、12月に25ベーシスポイントの追加利下げを実施し、政策金利を3.50~3.75%帯に引き下げる見通しです。リバース・レポ(RRP)残高がピーク時の2兆ドル超からほぼゼロに減少したことで、流動性バッファが消失しています。これまで国債発行を吸収していたRRPの役割が失われ、今後は銀行準備金が直接影響を受けます。FRBは準備金減少によるレポ市場の混乱を避けるため、バランスシートを再拡大して流動性を供給する選択肢を検討せざるを得ません。量的引き締め(QT)の終了と財務省一般会計(TGA)の取り崩しも重なり、2022年初以来の純流動性プラス環境が形成されつつあります。この変化は、市場全体のリスク資産に追い風となります。

日銀の政策動向

日銀は12月の金融政策決定会合で利上げの可能性が高まっています。関係者によると、高市政権もこれを容認する姿勢です。利上げが実施されれば2025年1月以来となります。米国の関税政策の影響を見極めつつ、11カ月ぶりの政策変更が検討されています。

仮想通貨市場

ビットコインの市況と分析

ビットコインとナスダック100の負の相関関係が継続しており、過去の類似局面ではBTCの大幅安値形成と一致しています。10月のピークから27%下落したビットコインに対し、ナスダック100は過去最高値から2%下回る水準にとどまっています。この乖離は歴史的に回復の前兆とされます。また、トム・リー氏が仮想通貨市場は底を打ったと指摘しています。テクニカル分析では、ビットコインの10万ドル回復可能性が再浮上し、イーサリアムにも強気勢力が強まっています。米商品先物取引委員会(CFTC)は、登録取引所での米国初の規制下現物仮想通貨取引を承認しました。これにより、ビットコイン現物が連邦レベルの市場に組み込まれる基盤が整います。

機関投資と企業動向

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、複数の政府系ファンドがビットコインを購入し、ピーク時の12万6000ドルから下落した局面でさらに買い増したと明かしました。特に8万ドル台で段階的にポジションを拡大し、長期保有を目的としています。ロシア第2位の銀行VTBは2026年にビットコインなどの仮想通貨取引サービスを開始します。ソフトバンクやテザー出資のビットコイン特化企業21キャピタルは、株主総会で事業統合を承認し、12月9日から取引開始となります。バイナンス創業者CZは、ビットコイン保有を99%のスタートアップを上回る最強戦略の一つと位置づけています。

株式・為替市場

米株式の企業発表

メタの株価はマーク・ザッカーバーグ氏の発言を受け5%以上上昇しました。同氏はメタバース関連取り組みを最大30%削減する検討を明らかにしています。AMDのCEOリサ・スーは、中国向けMI308チップ輸出に15%の関税を支払うと発表しました。トランプ大統領がNVIDIAのH200チップ対中販売を検討中との報道もあり、AIチップ政策の変化が注目されます。NVIDIA幹部は来日し、日本の産業用ロボット強さを評価しつつ、AI分野ではロボット大国ではなくなったと述べています。

為替と国際動向

中国の国有銀行が米ドルを購入していることが報じられています。米財務省は自国債務125億ドルを買い戻し、史上最大規模の措置を実施しました。これは債券市場支援のための流動性供給と見られます。