ビットコイン93,000ドル超ETF資金流入続く市場動向

ビットコイン価格が93,000ドルを突破する上昇を見せ、現物ETFへの資金流入が5日連続で継続しています。一方、イーサリアムETFは流出に転じ、ソラナETFは流入を記録。バンク・オブ・アメリカがビットコインETFをポートフォリオに最大4%配分するよう資産アドバイザーに許可し、機関投資家の関心が高まっています。英国では暗号資産を個人財産とする法律が成立。市場全体の時価総額も大幅に拡大しています。

暗号資産市場

ビットコイン価格の動向

ビットコインは93,000ドルを突破し、今年5月以来の大きな上昇幅を記録しました。予測市場Kalshiのデータでは、今年中に再び10万ドルに達する確率が60%まで上昇しています。また、メトカーフ価値モデルに基づくネットワーク価値を2年ぶりに下回った状況で、過去の類似事例ではその後12カ月で平均132%の上昇を示しており、96%の確率でプラスリターンを生んできました。バンガードによるビットコインETF取引解禁後、米国市場オープン直後に6%上昇し、IBITの取引開始30分で10億ドルの出来高を達成。Coinbaseプレミアムのプラス転換から、米個人投資家の買いが確認されています。市場全体の時価総額も1日で1800億ドル増加しました。

スポットETFの資金フロー

ビットコイン現物ETFは5850万ドルの純流入を記録し、5日連続のプラスとなりました。一方、イーサリアムETFは990万ドルの純流出、ソラナETFは4580万ドルの純流入です。前日のデータでもビットコインETFは848万ドル流入、イーサリアムは7906万ドル流出、XRPは8965万ドル流入、ソラナは1355万ドル流出と、ビットコインと一部アルトコインに資金が集中しています。総取引高は51億ドルを超え、市場の活況を表しています。

ETF種別 純流入額(米ドル)
ビットコイン +58,500,000
イーサリアム -9,900,000
ソラナ +45,800,000

金融機関の取り組み

バンク・オブ・アメリカの推奨開始

バンク・オブ・アメリカは資産アドバイザーに対し、ビットコインETFへの最大4%配分を許可しました。対象はMerrill、プライベートバンク、Merrill Edgeで、2026年1月5日からBITB、FBTC、Grayscale Mini Trust、IBITの4銘柄を正式にカバー。従来の積極提案禁止方針を撤廃し、1万5000人超のアドバイザーがポートフォリオに組み入れ可能となります。バンガードもビットコインETF取引を解禁し、退職資金やインデックスファンドで首位の同社がBTCを受け入れた影響が大きいと指摘されています。PayPalのステーブルコインPYUSDは時価総額が9月から3倍超の38億ドルに成長し、第6位に位置付けられています。

その他のサービス拡大

HashPort WalletはPontaポイントをBase上のUSDCやcbBTCに交換可能とし、月2万ポイント上限でau PAY出金機能も搭載。クラーケンはBackedを買収し、アップルやテスラなど60銘柄超の米国株・ETFをトークン化して取引拡大します。欧州10銀行はユーロ連動ステーブルコインを2026年後半発行予定です。

規制と企業動向

英国の法改正とゲンスラー氏見解

英国上院はデジタル資産等財産法案に国王裁可を与え、暗号資産とステーブルコインを個人財産と位置付け、所有権、資産回収、破産・相続の法的枠組みを整備。成人の約12%が保有する中での動きです。ゲンスラー前SEC委員長はビットコインを除く仮想通貨を高リスク投機資産とし、多くのトークンに根本的裏付けがないと警告。ビットコインは規制上コモディティに近いと述べました。

マイニング企業の株価変動

エリック・トランプ共同創業のAmerican Bitcoin Corp.株はロックアップ解除で30分内に50%超下落、最終39%安の2.19ドル。9月高値から60%超下落しています。ストラテジー株は安値から20%上昇、弱気派の投げ売り水準を示唆。マイニング収益は史上最悪で、ハッシュレート当たり35ドルに低下、大手コスト44ドルを下回っています。