ビットコイン9万ドル回復とS&P500新高値目前の市場動向

ビットコイン価格が9万ドルを回復し、大口投資家による買い戻しが目立つ中、S&P500指数は史上最高値に迫る水準まで上昇しています。トランプ大統領が株式市場の最高値維持を強調する発言をする一方、中央銀行の緩和傾向が市場全体を支えています。日本では補正予算案が過去最大規模で閣議決定され、積極財政が注目されます。商品市場では銀価格が55ドルの新高値を付けました。

株式市場

S&P500の接近する最高値更新

S&P500指数は史上最高値まであと1.3％の水準に達しています。トランプ大統領は株式市場を常に史上最高値に保つ意向を示し、市場を「ホット」と評しました。また、アメリカの年金積立口座にとって大きな追い風になるとの指摘があります。この動きは、市場参加者のセンチメントを反映したものです。一方、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）ではデータセンターの冷却問題により、株式先物を含む取引が一時停止されました。取引再開の詳細は顧客に通知される予定です。

仮想通貨市場

ビットコインの価格回復とクジラ活動

ビットコイン価格は9万ドルを回復しました。1万BTC以上を保有する大口投資家、所謂クジラが8月以来初めて買い戻しに転じ、トレンドスコアが0.8を記録しています。個人投資家から中規模投資家まで複数の層が押し目買いに参加しています。また、Coinbaseプレミアムが復活する兆候が見られます。予測市場Kalshiのデータでは、今年中に10万ドル到達の確率が60％に上昇しました。アーサー・ヘイズ氏は年末25万ドルの予測を維持し、米ドル流動性の底打ちと量的引き締め終了を根拠に挙げています。

ETF保有の増加傾向

ブラックロックの自社運用インカムファンドがビットコインETFの保有量を14％増加させました。機関投資家によるIBIT保有量の合計は過去最高の4億口を超えています。この動きは需要の高まりを示しています。年末に向け、FRBの利下げ確率上昇がビットコインプットオプションの需要を減らし、市場センチメントを安定化させています。

商品・為替市場

銀価格の新高値更新

銀価格が55ドルの史上最高値を更新しました。この上昇は投資需要の強まりを背景としています。一方、金市場ではステーブルコイン発行最大手のテザーが7月から9月期に24トンを購入したとの試算があり、中央銀行の最大買い手カザフスタン中銀を上回りました。ステーブルコインが新たな金需要の担い手となっています。

日本経済動向

補正予算案の規模拡大

補正予算案が18兆3034億円規模で閣議決定されました。家計支援や成長投資を目的とし、財源の6割超を新規国債発行で賄います。コロナ禍対策を除けば過去最大です。大阪のマンション価格は半年で3％上昇し、世界1位の値上がり率を記録しました。人件費・資材費の上昇に加え、再開発や万博効果による高額物件需要が相場を押し上げています。

証券市場の不正事件

証券会社の顧客口座を乗っ取り、上場企業1社の株価を変動させる目的で不正取引した疑いで、中国籍の2人が逮捕されました。相場操縦の疑いが持たれています。